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2010年7月16日 (金)

VWのキャラはこの20年で大きく変わった

引き続き、僕の著書「国産車の予算でかしこく輸入車に乗ろう」(99年ごま書房刊)より、再録。

第五章 国籍・ブランド別魅力と弱点の研究

VW
00年代のモデルは昔とは別物の仕上がり

かのヒットラーの国民車構想以来、大衆のための最良の道具として作られてきたのがフォルクスワーゲン。上級のパサートなどもあるが、日本でVWと言えば、やはりゴルフが基本だろう。

このクルマを高級車として買う人は少ないだろうが、ボディのしっかりした作りは、かのメルセデスベンツに勝るとも劣らない。エンジンや足回りの味つけもメルセデスに近い路線で、特別高性能ではないがタフなエンジンと、スポーティではないが徹底的に安定指向の足回りは、小さくとも最良の道具として理想を目指したことを感じさせる。

二代目までは、その道具っぽさが日本人には安っぽさにさえ見えることがあったが、92年からの三代目では内装の質感やデザインも向上し、たとえばカローラと比較しても納得いくものになっている。

もとがシンプルなクルマだけに、特別なウィークポイントはないが、バルブを動かすタイミングベルトなどゴム部品は、国産車(10万㎞)より早めの交換が安心。アクセサリー類は比較的弱いのは輸入車各車共通か。

小さくとも、キチンと作られたクルマの見本として、また小さくてもビンボー臭くないクルマとして、乗ってみるには好適だろう。

●2010年現在の追記
この原稿を書いた後、00年代のVWはさらに大きく変わった。98年に登場した四代目ゴルフでは、ドアやボンネットの隙間の小ささといった、日本車的な商品力にも力を入れ、車内の騒音や樹脂類の質感などの、世界一細かいところにうるさい日本人をも納得させるクルマに仕上げてきた。

04年登場の五代目、09年登場の六代目はその集大成。歩みを同じくして弟分のポロやセダン版のジェッタ(世代によりヴェントやボーラなど名前が変わる)も日本車感覚のクオリティと装備類を身につけた。最近では、さらにSUVのトゥアレグ(03年)やティグアン(08年)などもラインアップ。ますます日本車とがっぷり四つの商品企画とラインアップになってきている。

乗り味も年々かつてのどっしり、ずっしりのドイツ車感覚から、日本車的な軽快感をも身につけてきているが、それでも、長く乗っても疲れないシートや安定したハンドリングなど、VWらしい美点は健在だ。

トゥアレグやティグアンは中古車市場でも人気でやや高いが、それ以外のモデルはじつにお手頃な価格で上質車が出回っており、お試しで乗ってみるには好適。ただし、基本的には丈夫なクルマだが、電気系統や細かな造りにはやはり日本車にはかなわない部分もあり、日本車のような乗りっぱなしは許してはくれない。大金がかかることはまずないが、それなりにきちんとメンテナンスするつもりで味わってやりたい。

ちなみに高性能な上級グレードより、シンプルなベーシックグレードのほうがそうしたリスクもより低いはずだ。

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