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2011年10月14日 (金)

日本人って、やっぱりスゴい

昨夜(10月13日) 、NHK の番組「セカイでニホンGO! 」の中で、世界一の計算速度を達成したスーパーコンピュータ、「京(けい)」が取り上げられていたのをご覧になった方も多いだろう。事業仕分けで「二番じゃダメなんですか? 」という名文句(?) が話題になったアレだ。

番組では、メーカーの開発者が数人登場して「京」を支える技術のほんの一部を披露していたが、NHK らしく、会社名は最後まで出さず、ごていねいに「京」の筐体に記されたロゴマークまで巧妙にカットしていた。なのでここで書いておくが、「京」を開発( 理化学研究所との共同開発) ・製造したのは富士通だ。じつは僕は7年ほど前から、富士通の半導体部門(「京」に使われるCPU も生産) である富士通セミコンダクターが発行する技術情報誌「FIND」の巻頭企画の取材・執筆をさせていただいており、この夏には「京」の開発エンジニアたちにも直接インタビューしたのだ。

人物インタビューを読み物に仕立てる仕事は、僕の得意分野。メインの仕事であるクルマの記事でも、いわゆる自動車評論家諸氏のような新車に乗っていいの悪いのと感想文(いわゆるインプレッション)を書くのではなく、開発エンジニアにじっくり話を聞いて苦労話やアピールポイントを読み物に仕立てる仕事が多い。もっとも、富士通さんの仕事では、ふだんは巻頭企画で芸能人や有名人、文化人などにインタビューする仕事がレギュラー。これまでスタジオジブリプロデューサーの鈴木敏夫さん(09年) や大河ドラマ「竜馬伝」の題字を書いた書家の紫舟さん(05年) 、経済評論家の森永卓郎さん(07年) を始め、多くの話題の人物をインタビューさせていただいた。最新号でも歌手・女優として知られる佐良直美さんに、犬の躾けの話をうかがっているのだが、今回はそれに加えて「京」の開発エンジニアへの取材を依頼されたのだ。

内容は「FIND」のウェブ版でご覧いただきたいが、日本を代表する企業のトップエンジニアの話を訊くと、つくづく日本って凄い国なんだなあ、といつも思う。どのエンジニアも、けっしてドヤ顔をしたりせず、自分のなした仕事について淡々と話すのだが、そのレベルの高さや気配りの深さがハンパないのだ。これは日頃多く接する自動車エンジニアもコンピュータエンジニアも同じだった。

欧米では、先日亡くなったアップルのスティーブ・ジョブス氏のようなカリスマ的なリーダーが企業やトレンドを牽引していくケースが多いが、ここ日本では、彼らのような名もなき人々がそれぞれにベストを尽くし、結果として凄い仕事をなし遂げるのがある種の文化なのだとあらためて思う。

逆に言えば、だからこそリーダーたる政治家がアテにならなくても国が傾かないわけで、それがいいのか悪いのかはビミョーな問題ではあるのだが、なんというか、日本人全体が持つ底力において、僕らはもっと胸を張っていいのだろうとは思うのだ。

震災や原発事故でてんやわんやの状況にありながら円高が進むという状況も、世界がそう思っているからなのかもしれない。ならばそれに応えてやろうじゃないか。前を向き、胸を張り、自分にできることを淡々とやり続ければ、きっと凄いことができる。エンジニアたちに取材するたびに、僕自身もそんな前向きな気持ちになれるのだ。

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